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【読書感想】オススメ翻訳小説 ザリガニの鳴くところ

【2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第一位】

ミステリー&恋愛、差別などの社会問題


図書館で借りて読みました。なぜ読みたいと思ったかは忘れました笑。予約をしたのは今年の1月でしたが、70人くらい順番待ちだったので、借りられるのは何年後だろうと思いましたが、10ヶ月で回ってきました。

もう返却してしまったので、本がない状態での感想になります。 記憶違いなどあるかもしれませんが、ご容赦ください。

翻訳本は、独特の比喩表現や、会話に必ず散りばめられるジョークが取っつきにくかったりするのですが笑、これは読みやすかったです。 翻訳本が苦手な方にもおすすめです。

情景描写が美しいので、これは映像で見たいな~と思ったら、2022年に映画化するようです。女優さんもイメージに合う感じ。見たい!
映画版「ザリガニの鳴くところ」2022年夏公開 : 映画ニュース - 映画.com

なるべくネタバレしないように感想を書きたかったのですが、無理だったので笑、これから読みたい方はお気をつけください(^_^;)!
また、詩が頻出しますが、私は詩があまり好きではないのでサラッとしか読んでいませんでした。しっかり読めばよかったです、お気をつけください笑。

前半は、二つの立場で感情移入してました。
一つ目は、主人公カイア。
二つ目は、 夫から DV を受けて、子供達を捨てて逃げたカイアのお母さん。

主人公カイアについては、
「6歳で家族全員から捨てられて、差別を受けながら一人で生きることになったら、自分はこのように生き抜くことができるだろうか‥」 という、まあ一般的な感想です(^_^;)。
自分(時代、国も)は恵まれているなーと申し訳ない気持ちになります。(←ネガティブ人間)

また、カイアの母親については、
「夫からあらゆるDVを受けて、子供を捨てて逃げてしまったが、DVを受けながら一人で子どもたちを守らなければならない絶望感はどれほどだろうか。逃げた罪悪感を抱えて生きる事はどれだけ辛かっただろうか。」 と心が痛みます。
「子供を捨てて自分だけ逃げるなんて」と非難をすることは簡単ですが、これはきっと経験したことのない人にしかわからないのでしょう。
私も子どもがいますが、もしカイアの母の立場に置かれたらどうするか、答えが分かりません。
カイアも「ストレスを抱えた母親が子供を捨てることは、 種の保存としての生存戦略である」という自然界の道理は理解するも、心では納得できていなかった部分もありました。しかし後に自らの体験で心から理解します。(ここからが彼女の強いところですが‥)

後半は、カイアの心情というよりは、事実を客観的に眺めていきました。

自然の法則に従って、生物としてあるがままに生きることを貫いたカイア。
自分はこのようには生きられない、と思いますが、私は彼女の覚悟には敬服します 。

テイト(カイアの元カレかつ後の夫)は「何こいつ」と思うところもありますが、この時代の男性としては、まともな方なのかもしれません。
ただ、カイアがテイトに抱いていたのは、本当に「愛」だったのか?最初から「自分に優しくしてくれて、孤独を紛らわせてくれる人」だっただけかもしれない。しかし、カイアは、穏やかに、幸せに生を終えたように読めましたので、どうであれカイヤ本人が幸せならそれで良いのだと思います。
(しかし、テイトにも真実を話さなかった‥だか、真実を示すものは残した。本当に覚悟が決まっているなら、何も残さず自分の心だけに仕舞い込むか、テイトには真実を話すような気がするのですが、どちらでもないということは、彼女の内には迷い(愛を冷めた目で見る気持ちや、自分のしたことを悔いる思い)があったのでしょうか。)

また、チェイス(カイアがテイトに捨てられた後付き合った男)も真クズ男ですが、 カイアから贈られた貝のペンダントをずっと身につけていたり、手作りの絵本を捨てずに持っていたりしたので、彼なりにカイアのことを愛していたのかも‥と思いました。(これは DV 男の特徴なんでしょうか‥(^_^;)?)
あと、お兄さんのジョディが現れた時は、お金の無心をしに来たんじゃ‥と思いましたが、 そうでなくてよかったです(自分、心が穢れているなと思いました笑)。

最近は実用書ばかりで、小説を読んだのは久しぶりでしたが、良い本に出会えました!